名古屋工業大学大学院生 久保真奈美、谷口淳紀および名古屋工業大学大学院工学研究科、加藤正史准教授は電子回路を用いてハウリングを消去する技術の開発に成功しました。ハウリングとはカラオケなど音響設備において鳴るキーンという音のことを指し、スピーカーから出た音がマイクに戻ることで発生します。従来はデジタル信号処理技術を用いてハウリングが消去されていましたが、デジタル*信号処理の動作が遅いため短い時間ですがハウリングが発生してしまうという課題がありました。今回の技術ではアナログ*電子回路の素早い動作で、ハウリングを検出し、それを消去する信号を作り出すことにより、完全にハウリングを消去します。なお、下図は1.ハウリングの原理と2.開発した技術のイメージです。この技術の実用化により、カラオケなどの音響設備において耳障りなハウリングがなくなり、快適な音環境が実現することが期待されます。この成果はオランダの出版社Elsevier社が発行する学術雑誌「Applied Acoustics」に掲載されることが決定しています(http://dx.doi.org/10.1016/j.apacoust.2014.07.004)。今後はこの技術を実際の音響設備に搭載し効果を確認する予定です。以下にこの技術の効果を示す音声ファイルを公開いたします。
本成果の研究は名古屋工業大学のナラサンビ アヌスヤ、山中 星良(ともに大学院生)、塚田 究技術職員および市村 正也教授の協力のもとに行われました。また、東京大学大規模集積システム設計教育研究センターを通し、オン・セミコンダクター株式会社、シノプシス株式会社および日本ケイデンス株式会社の協力で行われました。